脳は“お城”?――「関門」から見る発達の話
私たちの脳には、とても重要な“門番”がいます。
それが「血液脳関門(Blood Brain Barrier=BBB)」という仕組み。
イメージでいうと、脳はまるで大切な王様が住むお城。
そして血液脳関門は、そのお城の門や守衛たちみたいな存在です。
外の世界(血液)から、脳という大事な空間に**有害な敵(化学物質や毒素など)**が入らないように、厳しくチェックしているんですね。
でも――
🍼実はこの「関門」、発達初期はまだゆるい
胎児から乳幼児期にかけて、この門番はまだ新米。
つまり、守りが甘くて、敵を通してしまう可能性があるんです。
しかも、成長して関門がしっかりしてからも、
- 一部の化学物質
- 農薬
- 重金属(鉛・水銀・アルミニウムなど)
こうした「しつこくて巧妙な敵」は、うまくすり抜けてしまうことがある。
そうするとどうなるか?
→ 本来、入ってこないはずの異物が脳に侵入し、
脳神経の発達に影響を与えるリスクが出てくる、というわけです。
🧠発達障害と「今の社会」
ADHDや自閉スペクトラム、ディスレクシアなど――
最近では「発達障害」として名前がつき、診断される子どもたちが増えています。
でも、そういう子たちって、昔からいたんですよね。
昔は、
- 「ちょっと変わってる子」
- 「落ち着きがない子」
- 「勉強は苦手だけど、なんかすごい発想する子」
なんて言われながらも、地域や社会の中で自然に受け止められてきた面もありました。
ところが今は、
- 教育現場の一律化
- 効率や成績重視の社会
- 「支援」の名のもとに進む分類と管理
そんな流れの中で、「普通」からはみ出た子たちが、“対応すべき存在”になってしまっていることも多い。
⚠️化学物質との関係は?
「脳関門が突破されて、子どもの発達に影響が出るんじゃないか?」
これは最近の研究でも注目されているテーマなんです。
例えば:
- ネオニコチノイド系農薬:昆虫の神経に効くが、哺乳類の脳にも微弱ながら影響があるかもしれない。
- BPAやフタル酸エステル類(プラスチック添加物):ホルモン攪乱物質として、胎児や乳児に影響の可能性。
- アルミニウム(ワクチンや食品添加物に含まれる):血液脳関門をどう通るかが研究対象に。
便利さの裏にある「見えない敵」が、
関門をすり抜けて、お城の中に入り込んでいる可能性があるんです。
🌱「自然に伸びる」子どもの力
一方で、私たちが忘れてはいけないのは、子どもの発達は柔らかく、変化し続けるということ。
例えばディスレクシア(文字を読むことに困難がある障害)の子には、
- 図形や空間認知に秀でていたり
- アートや音楽で圧倒的な才能を発揮したり
- 独自のやり方で成功している大人もたくさんいます。
「診断」はあくまで一つの見方であって、その子の“すべて”を語るものではないんです。
因みに、映画巨匠 スティーブン・スピルバーグやトム・クルーズはディスレクシアだったのですよ。
🔍さいごに:見えない“すり抜け”と、見えづらい個性
社会が効率や管理を優先するなかで、
子どもたちの豊かな個性が押し込められているように感じます。
さらに、外から忍び込む化学物質が、
その個性に「本来なかった歪み」を加えているかもしれない。
それを見えにくくしているのが――
「お城の関門をすり抜ける」問題なんですね。
あなたの「もしかして…?」という感覚は、きっと本質に近いもの。
今こそ、社会や環境の側から子どもを見つめ直す視点が求められているのだと思います。