過去の記憶に引きずられるのはなぜ?

人って、過去のことを思い出して泣いたり怒ったり、まるで「いま起きていること」のように感じてしまうことがありますよね。

たとえば、昔言われた一言がよみがえって胸が痛んだり、あのときの怖かった経験が急にリアルに蘇ったり。
不思議だけど、それは実は脳の仕組みによる「当たり前のこと」でもあります。


■ ネガティブな記憶が強く残る理由(脳の仕組み)

◎ 生存本能によるバイアス(ネガティビティ・バイアス)

人間の脳は「危険」や「不快」を優先的に記憶するように進化してきました。
命を守るためには、失敗や危険をしっかり覚えておく必要があったからです。

  • 「あの場所は危なかった」
  • 「あの食べ物でお腹を壊した」
  • 「あの人に否定された」

こうした体験が、脳内で「繰り返さないように!」と強く刻まれ、未来の行動にブレーキをかけるようになります。

◎ 扁桃体と海馬のタッグ

感情を司る「扁桃体(へんとうたい)」は、恐怖・怒り・悲しみなどの強い感情と記憶を結びつける役割を持っています。
一方、「海馬(かいば)」は記憶を整理する役割。

この二つが連携すると、ネガティブな体験は強調された形で脳に記録されやすくなります。
それが、ふとしたときに“再体験”としてよみがえり、今の自分に影響を与えているのです。


■ 記憶は「正確な記録」ではなく「感情を伴った再構成」

脳はカメラのように正確に記録しているわけではありません。
記憶とは「感情とともに再構成された物語」であり、思い出すたびに感情が色を塗り直すとも言われています。

「泣いた」「怒った」「悲しかった」
その出来事が本当にそうだったのかは、もう曖昧かもしれません。
でも脳は、それを「いまのように」感じさせてしまう。


■「ブレーキ思考」は才能かもしれない

思い返せば──
やりたいことを母に伝えるたびに、「○○になったらどうするの?」と失敗の例ばかりが返ってきました。
その経験が、今も行動にブレーキをかけていることがあります。

でもそれは、「失敗の原因を事前に見つけ出す力」でもある。
危険察知の感度が高い、自分なりの才能なのかもしれません。


 

■ 最後に:脳のクセを知れば、自分を責めなくていい

「また過去を思い出して落ち込んでしまった…」
そんなときは、どうか自分を責めないでください。

それは脳の構造上、自然な反応です。
むしろ、「そんな自分の反応に気づけた」こと自体が、成長の証。

ネガティブな記憶も、使い方次第では才能に変わります。
あなたが一歩前に進むための「過去との対話」を、今日はじっくりしてみませんか?

 

このブログは、みんな天才化機構BUM(*1)を振り返ったアウトプットとなります。
(*1)平日 am6:30から行われる30分のお話会

(一社)みんな天才化機構の許可を得て掲載しています。

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